大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)1638 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人が上告趣意として縷述するところは、憲法違反、判例違反をいう点が

ないではないが結局その実質は事実誤認と訴訟法違反の主張に帰するし弁護人松原

正交の上告趣意は理由不備と事実誤認の主張に外ならないからいずれも、刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。(なお第一審判決挙示の証拠を綜合すれば十分本件犯

罪事実を認定し得るのであつて、各所論のような理由不備、事実誤認のあることは

認められない。また被告人のいう原審弁護人との関係を記録について調査すると、

被告人は原審で国選弁護人の選任を請求し(記録四八五丁)、原審は被告人の為に

弁護士Aを国選弁護人に選任し(記録四八七丁)、同弁護人は控訴趣意書も提出し

た(記録五三三丁)ことが認められる。ところがその後被告人は右国選弁護人を解

任したい旨の上申書を提出しているのであるが(記録五三七丁)、その後原審第一

回公判において被告人自ら右解任の申立を撤回し、弁護人は、被告人及び弁護人各

提出の控訴趣意書に基いて弁論しているのみならず、更に被告人の為証人の取調を

請求する等弁護人としての職責を十分果していることが認められる(記録五四〇丁)。

従つて結局この点に関する所論については原判決に説明しているとおりなんら違

法は認められない。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認めら

れない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和二九年一一月九日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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